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AMERICAN SPIRIT • SWISS PRECISION
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いまを生きる男たちに似合う、「ハミルトン」というスタイル ③カーキ編

(スタッフクレジット)

写真:宇田川淳(静物)、森山将人〔TRIVAL〕(人物) 文:篠田哲生 スタイリング:石川英治(静物)

 

アメリカで生まれ、スイスでつくられる時計ブランド「ハミルトン」は、伝統的なスイス時計とは異なる個性がある。今回取り上げるのは、アメリカ陸軍などに供給されたミリタリーウォッチをルーツにもつ「カーキ」。その魅力を、ミリタリーアイテム好きのクリエイターに語ってもらった。 

戦場という極限の状況下でもしっかりと時刻を伝えるためのシンプルな表示や、軍隊式の時刻呼称に合わせた24時間式のインデックス表示、そしてマット仕上げのケースなど、武骨な雰囲気を醸しつつも機能的なスタイルでまとめられている。

“懐中時計を腕に巻く”という形で男性用の腕時計が考案されたのは、1899年から1902年にかけてのボーア戦争の時といわれており、その後、小型化して腕時計となった。歩兵、砲兵、戦車などを複雑に組み合わせて敵陣を攻撃するためには、時分刻みで行動することが求められる。そのためミリタリーウォッチは過酷な環境でも正確に時を刻み、壊れず、視認性に優れ、しかも全兵士に供給するために安価につくられた。そういった要素は、現代の腕時計にとっても欠かすことができない。つまり男性用の腕時計は、戦場で磨かれたのだ。ハミルトンは鉄道時計メーカーとして始まったため、精度と耐久性に定評があり、1940年代からアメリカ陸軍にミリタリーウォッチを供給するようになる。その流れを受け継いだ「カーキ」には、本物だけが醸し出す特別な魅力がある。現代のクリエイターを引き付けるのは当然だろう。

原点となる名作「カーキ フィ-ルド メカ」

今泉悠(ayame 代表/デザイナー)●1983年、茨城県生まれ。独学でメガネのノウハウを学び、2010年にアイウエアブランド「ayame」を設立。温故知新を基に、いつの時代も色褪せないカタチの創造を目指し、質の高い製品を追求。自社ブランドのみならず、国内外のアイウエアデザインやディレクションも行っている。

「眼鏡はとてもパーソナルなもの。サイズやデザインも含め、その人のライフスタイルを映し出します」と今泉さん。なんの知識もないまま眼鏡の世界に入り、眼鏡産業の中心である福井県鯖江市に通って、独学で眼鏡のイロハを学んだ。

「僕のベースにあるのはアメリカの文化ですね。アメリカ最古の眼鏡ブランドであるアメリカンオプティカルは、現代の眼鏡デザインの基礎になっていますし、自分のデザインに影響を与えたのも、アメリカのヴィンテージ。アメリカの音楽に惹かれましたし、ファッションはアメカジで育った。趣味のサーフィンもカリフォルニアのサーファーに刺激を受けて、好きな家具もミッドセンチュリー系から興味をもちました。改めて考えると、アメリカに強い影響を受けてきたんですね」

 

今泉さんにとっては、時計もまた、パーソナルな部分が見えるアイテムだという。

「個人的には小さな時計が好きなので、カーキ フィールド メカのサイズ感はいいですね。時計のつくりもしっかりしていますし、背景もある。現代の時計ですがカレンダーがないというのも嬉しい。僕の眼鏡のデザインと同様に、無駄をきちんと省いていますよね。古いものは好きですが、だからといって“ヴィンテージをつくる”必要はない。現代の技術や雰囲気を取り入れ、巧みにアップデートするのが正解ではないでしょうか。カーキ フィールド メカはNATOストラップの一部にレザーを使うなど、ほどよく現代的な進化が見える。シチュエーションを選ばない時計になってますね」

その変わらぬスタイルに、改めて魅了されたようだ。

1960年代製のミリタリーウォッチを復刻。シンプルなダイヤル表示や13~24のインデックスを小さく明記するデザイン、そして敵からの発見を防ぐために光の反射を抑えたマット仕上げのケースなど、当時のスタイルを継承している。その一方で、搭載するムーブメントは最大駆動80時間を確保しており、手巻き式ながら利便性はきわめて高い。レザーをストラップに取り入れるセンスもいい。

1940年代からミリタリーウォッチを製造しているハミルトン。この「カーキ フィールド メカ」は、1960年代につくられたモデルを復刻したものである。

ヴィンテージスタイルが際立つ「カーキ パイロット パイオニア メカ」

西野大士(にしのやディレクター、NEATデザイナー)●1983年、兵庫県生まれ。ブルックス・ブラザーズを経て、アタッシュドプレスとして独立。PR会社「にしのや」を立ち上げる。さらにパンツ専業ブランドとしてスタートした「NEAT」は、ファッション好きから注目される人気ブランドへと躍進。かなりの時計愛好家でもある。

学生時代は古着屋でバイトし、アメリカ文化を愛するオーナーから薫陶を受けた西野さん。アメトラの名門ブランド、ブルックス・ブラザーズに入社すると、さらにアメリカ文化にのめり込んでいく。

「アメリカのモノって、“ちょうどいい雑さ”があるんです。合理的で力が抜けていて、カッコつけない雰囲気といいましょうか。ハミルトンにも同様の魅力を感じます。ブルックス・ブラザーズで働いていた時は、身に着けてよい小物には指定がありました。先輩からいろいろなことを教えてもらうのですが、そこでハミルトンの時計に出合いました。ファッションと小物は、ブランドの歴史や背景も含めてマッチングさせるのだということを理解しましたね」

 

 リーバイスやニューバランスなど、アメカジを愛する西野さんにとって、ハミルトンはカジュアルにも似合う時計である。

「アメリカの歴史あるブランドは、ほとんどがミリタリーとのかかわりがある。軍の支給品だったというハミルトンは、”本物っぽさ”が好きですね。背景がないものは、どうしても薄っぺらに見えてしまう。自分がつくるパンツやPRしているブランドにも共通していますが、“物語”は絶対に必要だと思います。カーキ パイロット パイオニア メカは主張しないサイズ感もいいし、ブランドのレトロなフォントもいい。時計好き的には萌えポイントですね」

アメリカ発祥の時計らしい個性に、魅了されていた。

1970年代につくられたオリジナルモデルを3Dスキャンし、当時のサイズ感もそのままに復刻。クッション型ケースのフォルムは、ミリタリーウォッチとは思えないほどの優美さがある。風防ガラスはあえて当時と同じミネラルガラスにしているのもこだわりだ。12時位置に三角形のマーカーが入っているのは、瞬時に12時位置を判読するための仕掛けで、パイロットウォッチ特有のデザインである。

1970年代にイギリスのロイヤルエアフォースに提供されたミリタリーウォッチを復刻。夜光塗料スーパールミノバは、日焼けしたような風合いにしており、レトロ感を高めている。

それだけで個性が際立つ「カーキ ネイビー ビロウゼロ」

川合将人(インテリアスタイリスト)●1978年、東京都生まれ。都内のインテリアショップ勤務を経て独立し、インテリアスタイリストとなる。住宅メーカーや家電メーカーのショールームのコーディネートや広告、カタログのスタイリングに加え、店舗内装やイベントのディレクションなど、幅広いジャンルで活躍している。

商品に映り込みにくくて撮影の邪魔にならないという理由もあって、黒い時計を選びがちという川合さん。しかも単品でもガツンとインパクトがあるデザインの時計を好むそう。となれば「カーキ ネイビー ビロウゼロ」は、まさに最適な選択肢といえる。

「アメリカのプロダクトデザインは、素材の使い方が適切で、機能的でありながら、造形や佇まいにおおらかさが感じられるのが特徴。繊細さよりもモノがもつ力強さが形状になっている。ハミルトンの時計を見ると、やっぱりアメリカ発祥のブランドであることがわかりますね」

 

「機能性や素材を活かしているから、軍モノは好きなんです。ハミルトンはミリタリーウォッチのイメージが強いのですが、アメリカ海軍にダイバーズウォッチを提供してきたという歴史もあるんですよね。そういった背景があるものは、いい意味でトレンドにならないので、長く使っていけるでしょう。仕事柄、家具を運ぶことが多いし、腕をあちこちにぶつけるので、繊細な時計は着けられません。だからこの『カーキ ネイビー ビロウゼロ』のタフさがいいですね。大きなサイズですが、ケースがチタン製でとても軽いのでびっくりしました。視認性を度外視した文字盤のデザインも含め、たとえるなら、岡本太郎作『坐ることを拒否する椅子』のような、意外性がある面白い時計ですね」

川合さんの日常にインパクトを与える時計との出合いとなった。

アメリカ海軍の特殊潜水部隊に時計を供給してきたハミルトン。そのノウハウを活かしたダイバーズウォッチは1000m防水を実現した、個性的なデザイン。46㎜径の巨大な時計だが、チタンケースを使用することで着用感に優れる。ケースやダイヤル、インデックス、針をすべてブラックでまとめており、正確に時を刻みつつも、時間が判読しにくいというアンビバレンツな時計だ。

本来であればなによりも視認性を重視すべきダイバーズウォッチでありながら、インデックスや針、夜光塗料もブラックで統一。時間が判読しにくいという特殊な時計だ。

戦場という極限の世界で、実用性と機能性を磨いてきたハミルトンのミリタリーウォッチ。そのデザインやスタイルを継承した「カーキ」は、本物志向の大人たちからも愛される。

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Pen Online による連載企画

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